令和7年度祠堂経のご報告

去る6/21(土)22(日)の両日、宇波の段證師をお迎えして祠堂経法要をおつとめしました。

段證(だんしょう)武邦師

 今年度ご招待の布教使さまは氷見市宇波の常尊寺住職の段證武邦師です。
 段證師は高岡教区教務所の定例法座やラジオ法話でご活躍のベテラン布教使であり、当寺でも度々ご依頼させていただいています。
 ちなみに当寺住職とは父同士が従兄弟という間柄です。

ご法話

 師には2座お話いただきました。初日前半は去年の能登半島大地震におけるご自身の体験について述べられました。

 段證師が住職をされているお寺「常尊寺」は氷見で最大級の被害に遇われた内の一寺院で、いまだに復旧のめど立たず倒壊の危険があり出入りすることが出来ません。鐘楼堂も危うく土台から倒壊するところだったようですが、すんでのところで総代さんがたのお陰もあり危機を免れたそうです。
 そんな中、はやくも地震直後の親鸞聖人御正忌報恩講からは庫裏を仮本堂としてお勤めを行っておいでということで頭が下がります。

 しかし、近隣のご住職が急逝したり住職継職したばかりの災害に遇ったりと、続く災難に師も悩み考えさせられたそうです。

 そんな人の生の苦悩のなかにこそ、はたらくのがお仏法です。

良寛和尚のおことば

 後半、その災害・災難を承け、師が「出遇っていて良かったな」と思えた良寛和尚のお言葉を引いて、こころの持ちようをお話くださいました。

災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬ時節には死ぬがよく候
これはこれ災難をのがるる妙法にて候

 上のお言葉は良寛和尚が子を亡くした友人に宛てた手紙の一節です。

 どんなに手を尽くしても災難に遇うときは遇う。死はもちろんのこと免れ得ない。といって、私(良寛)のように長生きすればそれだけこのような(子を亡くした親の悲しみを見ることのような)憂き目にあい続けねばならない。良いも悪いもない、あるがままと心得る、それこそ災難を逃れる良い方法だよ、と教えてくださる金言です。

 災害もますます増え、世界のあちこちで戦争・紛争が絶えず、恐ろしい事件・事故にいつ遇ってもおかしくない中、「聞いていて良かったな」と思えるお言葉です。(終わり)

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