よろこびまもりたまふなり

画像は震災後に、ご門徒さまからお引き取りした菩薩さま。つながっているように見えるが、首は胴から離れ、胸に大穴が空いてしまっている。

身代わりに⁉

 この度の震災(R6.1.1 能登地震)において、ご門徒さま宅のお仏壇にも被害が出ています。
 先日あるご門徒さま宅に震災後はじめてお伺いしたところ、不思議そうなご様子でお仏像を持って来られて仰るには、

「おかげさまで家族もみんな無事でしたが、、、。これって身代わりになってくださったんでしょうか」
と、その掌には菩薩さまの銅像が抱えられていました。

 私には正直なところ分からず何ともお答えすることが出来ませんでしたが、互いに無事でいられたことを喜び、ともにお念仏申し上げたのでした。

浄土真宗の現世利益

 親鸞聖人は現世利益(この世で受けられる利益)をお示しになりましたが、それは己の欲望(息災延命・家内安全・合格・安産・商売繁昌等)充足とはどうやら違うようなのです。
 聖人の仰せになる利益とは、たとえ苦しみの中に在っても充実し、感謝し、喜び、希望をもって生きていけることを如来さまに恵まれることをいいます。

たとえ苦しみのなかにあっても

 ですから、被災したこと自体は苦しみに違いありませんが、み仏に護られているという感謝の心で前向きに歩めること、これこそがこのたび菩薩さまから頂いたご利益でありましょう。

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